自然の明りは、草木の緑、トマトの赤など色彩を鮮やかに、
心地いい睡眠と目覚め、気持の安らぎや喜びを与えてくれます。
人は外部から受け取る情報の約83%を視覚が占め、
色情報の基本は太陽から得ています。
太陽光は、自然な色で見えやすく、光の質においてストレスがないという特徴を持っています。
人には体内時計があり、太陽の光によって生体リズムを作っています。
生体リズムは、サーカディアンリズムと呼ばれ、私たちが活動する1日の環境の変化に対してコンディションやエネルギー消費を最適化するために与えられた仕組みです。
体内時計の動きがズレると、睡眠不足やストレスがもたらされ活動能力が低下し、
自律神経系や代謝系・免疫系に障害を与え、疾患につながるといわれています。
太陽の光には
健康に不可欠な、さまざまな効能が報告されています。
【その1・体内時計と太陽の関係】
~ 体 内 時 計 ~
光を浴びない生活をしていると、人間の生活は自然に1日1時間ずつ後ろへずれていきます。
それは地球1日(自転)が24時間なのに対して、人間本来がもっている1日の体内の周期は25時間だといわれているからです。光のない場所では時刻のてがかりをつかめず、人間は25時間ごとに寝たり起きたりしてしまうことになります。
そこで、朝の光を浴びることによって、体内時計が人間の生活にリセットしているというわけです。快適な睡眠を得るためにはまず、朝の太陽光を浴びましょう。
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~体内時計と季節の関係~
季節による環境の変化に人間が対応できるのも、体内時計のおかげです。
人間も基本的には動物なので、日照時間の長い夏は活動的になり、睡眠時間が短くなります。反対に日照時間の短い冬は、活動性が落ち、睡眠時間が長くなります。体内時計が、2~3ヶ月も前から環境に対応する準備をしているので、人間は季節によって日照時間が変わっても、日中は活動し、夜には自然と眠くなるという生活を送れるのです。
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~体内時計とメラトニン~
夜決まった時間になると眠くなります。その眠気を誘って私たちを休息ムードにしているのが「メラトニン」。
メラトニンは夜眠りにつく10時頃~11時頃に出はじめ、夜中に最も活発に分泌します。つまりメラトニンの誘導に従えば、ぐっすり眠れるという訳です。
但し、メラトニンは明るいところでは分泌しにくくなるので要注意です。快適な睡眠を目指すなら、寝る前はコンビニやガソリンスタンドなど、明る過ぎる照明のある場所には行かないようにしましょう。
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~体内時計の乱れと対策~
平日、同じ時間に起きて、同じ時間に寝ている人でも、週末に暗い部屋で昼過ぎまで寝ていると、体内時計が1日1時間ずつずれていきます。すると、つらいのが月曜の朝です。毎週時差ボケ状態ということになります。
これを防ぐためには、週末も一度、平日と同じ時刻に起き、光を浴びること。そうすれば、その後二度寝しても、体内時計が乱れることはありません。
深夜までガソリンスタンドやコンビニでアルバイトをしている人や夜中に小腹がへってついついコンビニに買出しに出掛けてしまう人。そんな人たちは、いざ眠ろうと布団に入ってもなかなか寝付けないことがあるはずです。それは、この時間帯に強い光を浴びると、眠りを誘導するメラトニンが分泌されなくなるからです。
寝る時間が遅くなれば当然、起きる時間も遅くなってしまいます。 忙しくても太陽の光をしっかり浴びて健康な生活を!
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~体内時計の調整~
普段朝8時に起きている人が、6時に起きる生活を始めた場合、床につく時刻を早めるのではなく、まずは6時に起きて太陽光を浴びること。朝の強い光を浴びた時に体内時計の指している時刻は決まります。
眠気は通常、14~16時間たたないと出てこないので、起床時刻を早めることで、眠くなる時刻も早まるという訳です。体内時計は1日1時間しか早められないので、2時間進ませるためには2日の辛抱が必要です。
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~体内時計と規則正しい生活~
朝起きる時刻、つまり光を浴びる時刻を一定にすることが規則正しい生活へとつながります。
朝起きたら、カーテンを開けて太陽の光を採り入れ、部屋の明かりをつけましょう。これらを日課にするのがポイントです。朝の光がなるべく顔に当るようにベッドの位置を変えてみるのもよいでしょう。
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~体内時計と時差ボケ~
時差ボケとは、ジェット機で1日以内に数時間以上時差のある場所へ移動するため、体内時計が追いつけず、現地の時刻とずれてしまうことを言います。
ヨーロッパなどへの西向き飛行では、(日本を基準に)現地の午後に屋外で過ごすようにすると、体内時計が1日1時間~2時間ずつ現地の時刻に合ってきます。
逆に北米など東向きに飛行で早く現地の時刻に合わせたい場合は、現地で午前中濃いサングラスをして強い光が目に入らないようにすると良いでしょう。現地での観光より、帰国後の仕事を優先する場合は、現地で日中に濃いサングラスをかけていると、体内時計は日本時間のままです。
【その2・紫外線について】
~ 紫 外 線 ~
屋外での活動が楽しくなる季節、気になるのが有害な紫外線。太陽光の中で紫外線は、カルシウムの吸収を良くするビタミンDを体内に生成させ、骨や歯を強くしたり、女性が乳がんにかかりにくくなったり、皮膚の免疫組織に働きかけ、慢性の皮膚病に効果がある等々人間の健康にとって有益なものである一方、日焼けやシミやシワ、更に皮膚がんをおこすなど有害でもあるのです。
紫外線を正しく理解して、その対策を十分にし、屋外での楽しい時間を過ごしましょう。
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~紫外線の種類とその性質~
紫外線は波長の長い順に、A・B・Cの三種類に区分けされます。
人の浴びる紫外線の90~95%はA、残りはBですが、波長が短いほど作用が大きく、BはAの千倍も有害だといいます。紫外線Bは、九割が表皮で止まりますが、細胞内のDNA〔遺伝子細胞〕を直接傷つけて変異を起こし、皮膚がんになる可能性を高めます。
一方、紫外線Aは皮膚の深い所まで届きます。肌の水分保持に役立っているコラーゲン、エラスチンという線維成分を分断・変性するため弾力を失わせてシワをつくります。
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~紫外線の性質~
紫外線にはまた次のような性質があります。薄い雲ではBの80%以上が透過し、屋外では太陽から直接届く紫外線の量と、空気中で散乱して届く紫外線量がほぼ同程度です。
地表面の種類により紫外線の反射率は大きく異なります。(新雪:80%、砂丘:10~25%、コンクリート:10%、水面:10~20%、草地、芝生、土面:10%以下)標高が1,000m上昇するごとにBは10~12%増加します。
建物の中では屋外の10%以下の紫外線があります。スカイライトチューブは、有害な紫外線をしっかりカット!
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~有害紫外線対策~
生涯に受ける紫外線量の半分は屋外に出る機会の多い十八歳までに浴びるといいます。
皮膚がんやシミなど、紫外線の影響は大人になって出てくるので、赤ちゃん、子供のうちに防御する必要があります。ベビーカーは日よけをし、帽子をかぶります。足の日焼けにも注意し、日焼け止めをこまめに塗ります。大人も、つばの広い帽子やサングラス、日傘などを活用し、必要に応じて日焼け止めを塗ります。男性も、将来を考えて気を配ったほうがよいでしょう。
近年有害な紫外線から大切なお肌を守るために、化粧品の一部としてさまざまな日焼け止め(サンクリーム)が発売されています。これらにはSPFやPA+といった表示がついています。
*SPF(Sun Protection Factor)UV-B対策
日焼け防止効果を示す値、数値が高いほど効果が高いとみなされます。
但し、塗布量や化粧くずれ等で効果が低下します。
*SP (Protection Grade of UV-A) UV-A対策
即時黒化(主にUV-Aにより一時的に皮膚が黒くなる現象)を利用したUV-Aの防止効果を示す指標です。
PA+の+の数が多いほど効果が高いとされます。お肌のタイプに合わせ、こまめに日焼け止めを用いることがポイントです。
【その3・うつ病や自然治癒にも】
~季節うつ病「光療法」で症状が軽く~
季節うつ病は毎年秋から冬にかけて気分が落ち込み、春を過ぎると回復する病気です。
若い女性に多く不安感や焦燥感などの感情的な症状は早く回復しますが、朝起きられない、学校や会社に行けない、気力が出ない、おっくうと言った意欲や行動の障害が長引きます。一般のうつ病と異なる特徴は、よく眠り、逆に、食欲が増して穀類や甘いものなどの炭水化物を欲しがり、太り気味になることです。
三十代前半の女性の例では、十八歳の頃から毎年9月に入るとうつ状態に陥り、年を越した3月頃まで続いて、回復する状態を繰り返しています。二十八歳の時に状態が悪くなり、診断を受け、その際に医師が詳しく聞き取ると、たまたま東南アジアに滞在していた年の冬だけは症状が現れなかったことが分かりました。
それ以降は冬の間は光療法を時々行うことで、症状が軽くなっています。朝夕三時間ずつ二千五百ルクスの光を浴びる治療を試みて効果が確かめられました。この療法は副作用がないうえに、効果が素早く現れます。そこで、季節うつ病の他に、睡眠時間が理由もなく夜から日中にずれる睡眠相遅延症候群など、体のリズム障害が疑われる人にも応用が試みられています。
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~自然治癒に効果てきめん~
ピッツバーグのモンティフィオーレ病院で行われた調査によると、手術後、自然光が十分に差し込む部屋で過ごした患者のほうが、従来の病室にいた患者よりも鎮痛剤の投与回数が少なくてすみ、投薬料を21%も低く抑えられたといいます。
まったく同じ疾患を持つ二つの患者グループを比較した例もあります。
一つのグル−プは、陰気な感じの昔ながらの病室で治療を受けました。もう一方は、現代的で太陽光が差し込む、見た目にもきれいな病室で治療を受けました。すると、デザインの良い部屋に入院していた患者の方が、あまり感じの良くない病室にいた患者よりも、鎮痛剤の投与量が少なくてすみ、平均して2日早く退院できたといいます。
現在、多くの病院で施設のデザインの見直しが行われています。自然光をより多く採り入れたり、待合室をプライバシーと快適さを提供できるものにしたり、あるいは、瞑想することのできる庭や迷路庭園が治癒を早める効果があると医師たちも気づき始めています。
~全国に広がる太陽光照明・スカイライトチューブ~
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